オーガニック経由のPV数が約4倍に!国際NGOの日本事務局が取り組んだ認知拡大へのデジタルマーケティング――プラン・インターナショナル・ジャパン
クライアント
公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン 様

支援内容

公式サイトのSEO

部門

マーケティング・コミュニケーション部

担当者

小泉 美礼様、佐藤 希世様、篠原 茜様

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国際NGOプラン・インターナショナルの日本事務局であるプラン・インターナショナル・ジャパンは、1983年に創立された公益財団法人です。幼い年齢での結婚や妊娠・出産、教育機会の欠如、人身取引や児童労働などの搾取に苦しめられている子どもたち、特に女の子たちの支援を通じ、世界が直面している課題の解決に取り組んでいます。

歴史ある団体ではあるものの、認知の面で課題を感じていたことから、同法人では2023年2月よりコンテンツマーケティングに注力。株式会社CINCの支援を受けてサイトの構造の改修やSEOを意識した記事の投稿を行ったところ、想定よりも4カ月早く目標のPV数を達成するなど、大きな成果を上げています。

今回はプラン・インターナショナル・ジャパン マーケティング・コミュニケーション部 チーフマーケティングオフィサーの小泉美礼さんをはじめ、マーケティング・コミュニケーション部の佐藤希世さんと篠原茜さんに話をお聞きしました。コンサルティングを担当したCINC マーケティングDX事業本部 コンサルティング部の杉野綾も同席しています。

(取材:株式会社CINC、文:株式会社ケーズオフィス、撮影:海保 竜平)

目次

途上国開発を推進するプラン・インターナショナル・ジャパンの特徴と課題

プラン・インターナショナル・ジャパンさまの活動内容を教えてください。

プラン・インターナショナル・ジャパン 小泉美礼さん(以下、小泉) 私たちは、誰もが平等な世界の実現を目指して活動しています。世界には助けを必要としている人たちがたくさんいますが、なかでも不遇な状況に置かれているのは社会的に弱い立場にある女の子で、途上国では多くの困難に直面しています。例えば、「経済的な事情で学校に十分に通えない」「早すぎる結婚で教育の機会が奪われる」「幼いうちの妊娠や出産で心身が傷つく」といった事態が起きてしまっているんです。そこで、私たちは誰もが“イコール”で生きていける社会を作るために、まずは女の子が持つ課題を優先して支援しています。

プラン・インターナショナル・ジャパン マーケティング・コミュニケーション部 チーフマーケティングオフィサー 小泉美礼さん

プラン・インターナショナル・ジャパン 篠原茜さん(以下、篠原) 具体的な活動分野としては大きく「教育」「子どもの成長」「性と生殖に関する健康と権利」「生計向上」「子どもの参加」「子どもの保護」「緊急支援」の7つが挙げられます。

また、寄付や支援の方法には、特定の地域を継続して支援する「プラン・スポンサーシップ」という選択肢があるのも当法人の大きな特長です。支援先は主に社会的・経済的な困難が多い地域で、行政や現地で暮らす人々とのネットワークを構築しつつ、「教育」「生計向上」「子どもの保護」など、必要なプロジェクトを5~20年の長期的なスパンで推進します。地域を代表して支援の成果を報告してくれる“チャイルド”と手紙で交流しながら、その地域と“チャイルド”の成長を見守っていただくことができ、一方通行で終わらない支援方法をご提案できるのも当法人の強みです。

プラン・インターナショナル・ジャパン マーケティング・コミュニケーション部 PR/コミュニケーションチーム 篠原茜さん

続いて、マーケティング・コミュニケーション部の皆さんの役割を教えてください。

小泉 CMO(最高マーケティング責任者)としてマーケティング・コミュニケーション部の業務を統括しています。マーケティング活動は多岐にわたっており、特に注力しているのは、団体そのものや活動内容を正確かつわかりやすく伝え、活動に賛同いただける方を増やしていくことです。個人の方だけでなく、法人や教育機関、場合によっては政府に向けて訴求するケースもあります。また、支援者の方々に活動の成果を報告したり、頂いた寄付金の用途を報告したりするのも、マーケティング・コミュニケーション部の役割の一つです。

プラン・インターナショナル・ジャパン 佐藤希世さん(以下、佐藤) マーケティング・コミュニケーション部のマーケティングチームに所属し、団体の活動を訴求するWebサイトの運用を担っています。具体的な業務内容は、コンテンツ制作や進行管理、サイトの分析・改善などです。

プラン・インターナショナル・ジャパン マーケティング・コミュニケーション部 マーケティングチーム 佐藤希世さん

篠原 マーケティング・コミュニケーション部のPR/コミュニケーションチームに所属しています。支援者の方々へ発信するための団体の活動レポートの編集や、トピックス記事の執筆、定期配信するメールマガジンの作成などに携わっています。

マーケティングではどのような課題を抱えているのでしょうか。

佐藤 国際NGOプラン・インターナショナルは世界80カ国以上で活動していて、80年以上の歴史を持つ団体です。日本支部も2023年5月に創立40周年を迎えました。しかし、グローバルに活動する歴史の長い団体にもかかわらず、国内での知名度に課題を感じています。

小泉 毎年実施している知名度調査で定量的なデータを見ても、当法人はまだ理想的な認知度に達していないのが現状です。特に、都市部を離れるほど知名度が低くなる傾向にあります。団体の活動に賛同いただける方を増やすためには、まず私たちの活動をより多くの方に知っていただく必要があるので、SEOの強化による認知拡大が不可欠と考えました。

そこでCINCにご相談いただいたのですね。CINCはいつ頃から支援に入りましたか。

CINC 杉野綾(以下、杉野) 2023年2月頃からです。当初は前任のコンサルタントと私の2人体制でしたが、同年の6月頃から私がメインで支援しています。

CINC マーケティングDX事業本部 コンサルティング部 杉野綾

小泉 実は、前職でCINCさんにSEOのコンサルティングを依頼していた経験から、コンペの候補としてCINCさんを紹介しました。それが最初のきっかけです。

佐藤 コンペで複数社を比較検討したところ、CINCさんはコンサルタントの属人的な能力のみに頼るのではなく、データに基づいたサポートを受けられる点が好印象でした。当時はWebサイトの流入そのものが低迷している状況だったため、まずはより多くの方に活動内容を知っていただくことを目標に、サイト全体のPV数10%向上、なかでもオーガニック経由でのPV数増加を目指してCINCさんとの取り組みを始めました。

構成案を基にした記事執筆の難しさと、得られた大きな成果

コンサルティングではどのような支援を行いましたか。

杉野 主にWebサイトの改修やコンテンツに関する施策を提案・実施しました。特に注力したのが、コンテンツマーケティングの部分です。もともとプラン・インターナショナル・ジャパンさまの活動内容などを取り上げていたサイトの特集ページ配下に、SEOを意識した記事を掲載いただきました。記事を通じてサイトの流入数を伸ばし、プラン・インターナショナル・ジャパンさまの認知拡大につなげることが目的です。

SEOを意識した記事の制作にあたっては、マーケティング・コミュニケーション部の皆さんの執筆をサポートするために、CINCから「構成案」を納品しています。構成案には記事の章立てや盛り込むべき内容、共起語などが詳しく記載されており、指示を参考に執筆いただくことで、対策するキーワードでの上位表示が期待できます。

篠原 SEOを意識した記事はマーケティング・コミュニケーション部が構成案を基に4人体制で執筆しています。初めのうちは、構成案を参考にしながら記事に違和感なく共起語を含めるのに苦労しました…。

杉野 慣れるまでは大変ですよね。構成案で提示している共起語は、「そのキーワードを検索するユーザーが知りたいと思っている情報」の参考にもなるワードで、無理やり盛り込んでも成果につながりません。

篠原 現在は、ユーザーが求める情報を意識しながら、共起語も違和感なく入れつつ記事を作成できていると思います。例えば「世界の女性問題の具体例」を紹介する記事では、共起語から「日本の状況を知りたい」というユーザーニーズが読み取れたので、本文とは別枠を設けて情報を盛り込む工夫をしています。

画像出典:プラン・インターナショナル・ジャパン「世界の女性問題の具体例|差別が起こる原因や解決のための取り組み」

共起語以外に、記事の制作で苦労した点はありますか。

篠原 当初は構成案で指示された情報にどこまで自分たちの言葉で肉付けするべきか迷いました。伝えたい情報を盛り込みすぎて、とても長い記事になってしまったこともあります。しかし、執筆の経験を積んでからは、記事に必要な情報を網羅しつつ、当法人が保有するデータも活用して、オリジナリティのある記事を作成できるようになりました。また、執筆に関して不明点があるときは、構成案の該当箇所にコメントをつけてCINCさんに相談し、いつも的確なアドバイスを頂けるので心強いです。

コンサルティングの成果を教えてください。

杉野 成果が見られ始めたのは、支援開始から約半年後、20本程度の記事が蓄積されたタイミングです。そのあたりからサイトの流入数が急激に伸びてきて、オーガニック経由の数値は2024年1月時点で支援開始当初と比較して約4倍に達しています。

2023年1月から2024年1月までのオーガニック経由のPV数

CINCが今期1年の目標として掲げていたオーガニック経由のPV数の150%に達しているので、大きく成果を上げています。2023年の夏頃には、すでに目標達成が見えていて「近々実現するだろう」と思っていました。

佐藤 2023年9月時点で、目標としていたPV数を超えました。支援いただいてからぐっと数値が伸びたので、本当にありがたいです。

篠原 最初は本当に成果が出るのか半信半疑だったのですが、PV数が順調に伸びていったので驚きました。子どもの成長を見ているような感覚です。

小泉 記事の執筆がとにかく大変そうだったので、取り組んだ分だけ数値が右肩上がりになって、マーケティング・コミュニケーション部で執筆に携わったメンバーも苦労が報われたと思います。過去の経験から流入数が増えるまで少なくとも6~8カ月はかかると考えていましたが、想定よりも早く結果が出て、ほっとしています。

認知の獲得だけにとどまらないサイトを目指して

杉野 プラン・インターナショナル・ジャパンさまは、PV数で目標を大きく達成しているだけでなく、制作した記事が軒並み検索結果で5位以内を獲得しているのも特筆すべき成果です。これは、皆さんの作った記事がユーザーのニーズを満たしているということです。蓄積された記事の本数も50本近くになりました。

篠原 記事で社会問題やボランティアに関連するキーワードを対策したことで、これまで当法人と接点のなかった層にも情報を届けられるようになったのは大きいと思います。また、検索ボリュームが少ないものの重要なキーワードを対策しておくと、初めのうちは成果が見えにくくても、徐々に評価されるのだと学びました。

佐藤 記事のキーワード選定の際、杉野さんは私たちにはない新たな目線で提案してくださるので助かっています。時には、私たちの活動に直接的には関係のないキーワードも候補に挙がるので、「この記事を投稿しても良いのだろうか」と思いつつ制作するのですが、サイトにアップすると成果につながるんです。

杉野 コンテンツ制作では、クライアントの活動と関連性の高いキーワードに限らず、その周辺のキーワードまで提案することがあります。プラン・インターナショナル・ジャパンさまは、こうしたキーワードをご提案した際も果敢に記事執筆へチャレンジしていただけるのでありがたいです。その結果として新しいユーザー層の流入を獲得できているのだと実感しています。

篠原 対策キーワードや共起語の中には、当法人の方針から使用が難しい表現もあります。そんなとき、杉野さんに「別の用語に置き換えるとSEOに影響はありますか?」と気軽に相談できる体制ができています。引き続き、CINCさんに相談しながら施策を続けていきたいです。

大きな成果が見られて何よりです。そんな現状を踏まえて、今後の展望を教えてください。

小泉 今後は、記事を読んで当法人に興味を持ち、アクションを起こしていただける方を増やすことが課題です。流入数が増えたことで多くの方に当法人の活動を知っていただけるようになり、Webサイトが認知拡大に貢献するようになっています。今度は流入から支援につなげるため、ユーザーがよりスムーズに行動できるようサイト構造のリニューアルにも着手しています。また、個人だけでなく法人の方に情報を届けるためのSEOにも取り組みたいです。CINCさんには、引き続き課題解決のサポートを期待します。

佐藤 現状は、流入してもページを熟読しただけで帰ってしまう方が多いので、今後はより回遊していただけるようなWebサイトを目指し、当法人の活動の理解を深めて支援も検討いただけるようにしたいです。そのために私たちにできることを、これからもCINCさんと一緒に考えていきます。

篠原 引き続き記事を通じて認知の拡大に努め、ゆくゆくは「世界の女の子たちの課題」や「ジェンター平等」などの第一想起になれるような存在を目指したいです。

杉野 自分自身とは遠い世界の課題であっても、「身近な問題に置き換えることができれば、関心を持ちやすいのでは」と考えています。そのため、今後は私たちの身近にあるキーワードからプラン・インターナショナル・ジャパンさまの活動に興味を持っていただけるようなコンテンツも作っていきたいです。認知の獲得にとどまらず、プラン・インターナショナル・ジャパンさまの活動に心から賛同していただける人を増やすコンテンツ制作を支援していきます!

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企業DATA

公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン

ABOUT

国際NGOプラン・インターナショナルと共通の目標・使命のもと日本国内で活動し、途上国支援を推進している。世界の女の子たちが直面している課題の解決へ取り組み、主に「教育」「子どもの成長」「性と生殖に関する健康と権利」などの活動分野で支援の輪を広げている。

記事執筆者

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株式会社ケーズオフィス

ABOUT

Webライティング専門カンパニー。社員ライターによる自社一貫の記事作成が特徴。コラム記事から取材記事まで、幅広いコンテンツ制作に対応。