オウンドメディアの集客力向上で月間200万円の広告費を0円にした、シムトップスのSEOとは
クライアント
株式会社シムトップス 様

支援内容

「i-Reporter」のオウンドメディアのSEO

部門

企画・マーケティンググループ マーケティングチーム

担当者

奥畑 和行様、前川 泰宏様、那須 香里様

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株式会社シムトップスが提供する「i-Reporter(アイレポーター)」は、「日報」「不具合報告書」「品質点検チェックシート」など紙の現場帳票をペーパーレス化するソリューションです。製造をはじめ、物流、建設、小売など幅広い業界で導入されています。

コロナ禍で従来の営業手法が成立しづらくなったのをきっかけに、シムトップスでは「i-Reporter」のWebマーケティングに注力しています。株式会社CINCは2022年11月より、「i-Reporter」のオウンドメディア「現場帳票研究所」のコンサルティングを担当。新規流入数やコンバージョン数の増加などの成果を上げています。

今回は、取締役COOの奥畑和行さん、企画・マーケティンググループ マーケティングチームのマネージャー前川泰宏さんと那須香里さんに話をお聞きしました。コンサルティングを担当したCINC マーケティングDX事業本部 コンサルティング部 マネージャーの尾崎篤志と、同じくコンサルティング部の杉野綾も同席しています。

(取材・文:株式会社ケーズオフィス、撮影:矢島 宏樹)

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目次

現場帳票のDXに役立つ「i-Reporter」の強み

シムトップスさまの事業内容と、現場帳票システム「i-Reporter」について教えてください。

シムトップス 奥畑和行さん(以下、奥畑) 弊社の事業は、工場の生産管理をスケジューリングするシステム「DIRECTOR」の開発とサポートから始まりました。iPadが登場した2011年に、代表取締役社長の水野(貴司さん)が発案したのが現場帳票システム「i-Reporter」で、現在の事業の中心となっています。

シムトップス 取締役COO 奥畑和行さん

シムトップス 前川泰宏さん(以下、前川) 「i-Reporter」は、紙の現場帳票を電子化し、業務課題を解決するソリューションです。

製造業の工場や物流倉庫、建設業をはじめとした現場の業務では、「日報」「不具合報告書」「品質点検チェックシート」といった多種多様な帳票が使われています。こうした帳票の管理が行き届かず、記入漏れや形式のバラつき、転記する際の手間の多さなどに頭を悩ませている企業も少なくありません。

「i-Reporter」を導入すると、現場で使い慣れた既存のフォーマットを変えることなく、あらゆる帳票を電子化できます。iPadなどのタブレット端末で操作するため、撮影した写真を直接アップロードしたり、タッチペンで書き込んだりすることも可能です。また、端末にインストールして使用するネイティブアプリの形式なので、ネット環境に依存せず、地下などの電波が届きにくい場所でも快適に操作できます。紙より記入スピードを落とさず、紙よりも便利に使えるからこそ、現場に定着しやすいのが強みです。

シムトップス 企画・マーケティンググループ マーケティングチーム マネージャー 前川泰宏さん

現場での操作性を徹底的に意識したシステムなのですね。

奥畑 製造業や物流倉庫などの現場で働く人たちは、紙の帳票よりも不便だと感じると、すぐにシステムを使わなくなって紙での運用に戻してしまうんです。そのため、弊社では既存のフォーマットを変えずに電子化することが特に重要と考えています。

前川 あとは現場に定着しやすいだけでなく、導入時の教育コストを抑えられるところも強みです。それまで使っていた帳票とレイアウトが変わってしまうと、あらためて入力方法などを教える工数が生じます。しかし、「i-Reporter」は見慣れた紙の帳票がそのまま画面に表示されるため、スムーズに受け入れられやすいのです。

そもそも現場で働く人たちは、製品を作ったりチェックしたりするのが主な仕事です。システムの使い方を覚えるのはメインの仕事ではありません。だからこそ、新システムの導入で余計な負荷がかかると、「新しいものは使いたくない」と感じてしまいます。

「i-Reporter」のマーケティングにおける皆さんの役割を教えてください。

奥畑 COOとして、マーケティングの方向性を決める役割を担っています。2023年4月にシムトップスに入社し、「i-Reporter」のマーケティングに課題を感じたため、前川と那須を抜擢してプロジェクトを立ち上げました。

前川 私は前職が「i-Reporter」の販売代理店の営業職だったので、3~4年ほど現場を回って販売していた経験があります。2018年にシムトップスに入社後、パートナーセールスの部署を経て、マーケティングチームのマネージャーになりました。現在は主にオウンドメディアの企画を担当しています。

シムトップス 那須香里さん(以下、那須) 私はマーケティングから広報まで、「i-Reporter」の認知拡大に関わる幅広い業務を担っています。公式キャラクター「アイレポちゃん」のSNS運用やグッズ展開、プレスリリースの発信、ユーザーコミュニティーの運営などを行っています。

シムトップス 企画・マーケティンググループ マーケティングチーム 那須香里さん

「i-Reporter」公式キャラクターの「アイレポちゃん」

Webマーケティングに注力するようになったきっかけ

「i-Reporter」のマーケティングを強化するためのプロジェクトは、どのような経緯で始まったのでしょうか。

前川 Webマーケティングに取り組み始めたのは、コロナ禍で新規の売り上げが減少し、危機感をおぼえたためです。もともと「i-Reporter」の販売経路は販売代理店に委託する方法と、展示会に出展する方法のみでした。ところが、2020年以降のコロナ禍で、代理店の営業活動が制限され、展示会を開催できない状況が続きます。徐々に見込み客が枯渇して新規の売り上げを獲得できなくなってきたため、「i-Reporter」の認知を拡大するべく、Webマーケティングを始めることになりました。

奥畑 営業手法が確立されていたこともあって、コロナ禍までは会社としてマーケティングに取り組んでいませんでした。認知拡大を目的とする場合、広告出稿でも一時的な集客はできるかもしれませんが、長い目で見て、オウンドメディア運営のような資産形成につながるマーケティング施策が必須だと考えました。見込み客が「i-Reporter」に関連するさまざまなキーワードで検索する可能性を考えて、プロジェクトチームでオウンドメディアの運営を始めました。

オウンドメディア運営を始めてからの状況はいかがでしたか。

前川 SEOの基礎に取り組みましたが、軒並み通用しませんでした。当時立ち上げたのは、今ある「現場帳票研究所」とは異なるオウンドメディアで、「こういう記事を作れば読まれるだろう」と感覚的に記事を制作し、なかなか成果を上げられずにいました。

奥畑 商材の性質上、キーワード選定が難しくて、どうしたらいいのか悩みました。「i-Reporter」は汎用性や自由度が高いシステムです。導入できる業界は製造業に限らず、物流業・建設業・小売業と幅広く、現場のあらゆる書類の電子化にも対応できます。お客さまの業務に合わせてなんでもできるシステムだからこそ、「i-Reporter」の特徴に合致する明確な対策キーワードが見つかりませんでした。

例えば特定の業務課題を解決するシステムなら、「会計」や「人事労務」といった検索キーワードが想定されます。しかし「i-Reporter」の場合、強いて挙げるなら「現場の改善」のように漠然とした検索キーワードになってしまうのです。

それで、CINCにコンサルティングを依頼したのですね。

前川 那須と一緒にCINCのウェビナーに参加したのが、コンサルタントの尾崎さんを知ったきっかけでした。ある程度の知識があるとはいえ、那須も私もWebマーケティングの素人です。だから、CINCも含めてさまざまな会社のWebマーケティング関連のウェビナーに参加して、互いに得た情報を共有し合いながら知識を身に付けました。

那須 尾崎さんが登壇するCINCのウェビナーでは有益な情報を入手できて、毎回飽きずに聞けたのが印象に残っています。こちらが知りたい情報を、簡潔かつ端的に教えてくださるので助かりました。

前川 過去に参加したウェビナーのメモを整理していると、CINCのウェビナーではいつも参考になる情報を発信してくださっていることに気づいたんです。そうした背景もあって、オウンドメディア運営のコンサルティングは、CINCに依頼しようと決めました。

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キーワードの難しさを乗り越え、成果を上げられた理由

CINCのコンサルティングでは、どのような支援をしましたか。

CINC 尾崎篤志(以下、尾崎) 主にオウンドメディアの流入数増加やリード獲得へ向けた施策に取り組みました。ただ、そこで悩んだのが先ほどの対策キーワードの問題です。キックオフミーティング前は、お客さまと話し合えば何かしらのキーワードが見つかるはずだと想定していました。ところが、実際にプロジェクトチームの皆さんから詳しく話を聞いてみると、確かに「i-Reporter」には明確な対策キーワードが無いのです。「これは非常に難しいご相談だ!」と感じました。

CINC マーケティングDX事業本部 コンサルティング部 マネージャー 尾崎篤志

奥畑 キックオフミーティングで尾崎さんが”これは手ごわそうだぞ“という表情をしていたのを思い出しました。今の話を聞いて、「やっぱりあの時、難しいと思っていたんだ!」と納得しています。私たち自身も難しいと感じていましたが、SEOのプロから見ても難度の高いプロジェクトだったのですね(笑)

尾崎 明確な対策キーワードが無いプロジェクトは、コンバージョンする確率が高いキーワードを見つけにくいため、やはり難度が高くなります。こうした状況の中、ほぼゼロからオウンドメディア運営を再スタートするにあたり、まずはより多くの人たちにコンテンツを見てもらうことを目指しました。そして、現場帳票を扱う方が検索しそうな「在庫管理」「不具合報告書」などのキーワードから記事を作成したのです。

前川 尾崎さんには、オウンドメディアの設計の部分から丁寧にサポートしていただきました。CINCにはWebマーケティングの調査・分析ツール「Keywordmap(キーワードマップ)」があるため、施策の提案内容に納得感があります。コンテンツ制作では、どの対策キーワードで、どんな内容を執筆すれば成果につながるのか根拠を持って教えていただけるので、ありがたいです。

奥畑 過去にも社内でキーワードを盛り込んだコンテンツを作成したことがあるのですが、当時はまったく順位が上がらず…。コンサルティングを受けるようになってからは、徐々に順位が上がってきました。

コンサルティングの成果について教えてください。

奥畑 オウンドメディアの新規流入数が増えたので、リスティング広告の出稿を停止しました。これにより、月間200万円の広告費を削減できたのは大きな成果です。リスティング広告の出稿を止めても、以前より多くの新規流入数、コンバージョン数を獲得できています。Webマーケティングの成果が出て、オウンドメディアが資産になり、自信につながりました。

尾崎 検索結果で上位に表示される記事が増え、データを分析できるようになったタイミングで、成果創出までのストーリーがあらためて明確になったと思います。流入数の多い、または少ないキーワードが可視化されて、ゴールであるリード獲得との突き合わせができるようになりました。どのようなコンテンツを用意すれば「i-Reporter」の問い合わせにつながるのかストーリーができたので、最近はExcelの帳票テンプレートを活用したコンバージョンポイントの設置や、ゴールから逆算して新たに必要なホワイトペーパーの制作などの提案も行っています。

難度の高い状況を乗り切るために、2社ではどのように協業していたのでしょうか。

CINC 杉野綾(以下、杉野) プロジェクトチームの皆さんと徹底的に話し合って情報を整理したうえで、コンサルティング提案を行いました。また、マーケティングチームが前川さんと那須さんの二人体制であることを聞いていたので、プロジェクトをスムーズに進行するために、私がチームの皆さんに代わって思考して負担を軽減し、現場では実装するだけで済むように意識しています。シムトップスさまがオウンドメディア運営に集中できるよう、コンサルタントとしてマーケティング戦略の思考に注力しました。

CINC マーケティングDX事業本部 コンサルティング部 杉野綾

前川 人数の少ないマーケティングチームにとって、手を動かすだけで良いように提案していただけるのはとてもありがたいことです。CINCに提案してもらって、やるか否かを私が判断し、那須がサイトに反映する…この体制が私たちに合っていると感じます。

那須 コンサルタントのお二人には、いつも細かい質問にまで丁寧に回答していただきました。また、定期的にデータを共有していただく度に、弊社のためにしっかりと調査してくださっているのが伝わってきます。

尾崎 シムトップスさまとは、非常に良い関係性を構築できたと思います。CINCが提案すると、プロジェクトチームの皆さんがリアルタイムでフィードバックをくださるので、スピーディーに施策を進められます。私たちはコンサルティングをお任せいただいている立場ですから、レベルの高い提案をするのは当然だと考えています。その一方で、コンサルタントの提案のハードルが上がりすぎると、プロジェクトのスピードが停滞しがちです。今回のプロジェクトは気軽に提案しやすい関係性があったため、スムーズに進行できました。

奥畑 私たちは提案に完璧さを求めているわけではないので、新しい施策はとにかく試してみて、成果につながらなければ変えれば良いと考えています。CINCのお二人が親切に、真剣に考えて提案してくださったので、ここまでずっと信じて取り組んできて良かったです。

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今後、CINCではどのように支援していきますか。

杉野 今後は製造業界に加えて、新たに物流業界や小売業界の見込み客の流入獲得へ向けた支援を予定しており、すでにシムトップスさまとの議論も進めています。また、オウンドメディア運営には新規流入やリードを獲得する役割だけでなく、コンテンツの成果を通じてユーザーニーズを掴む意味合いもあると思います。把握したユーザーニーズを、SNSや広告の運用など他のマーケティング施策でも活かせるよう、今後はデータ分析をさらに強化したいです。

尾崎 今回のオウンドメディアの施策で得た知見は、運用型広告や展示会で配布する紙のパンフレットなどにも応用できるはずです。顧客の悩みに応えるコンテンツを用意し、「i-Reporter」を知って問い合わせてもらうまでのストーリーを、オウンドメディア上だけにとどめておくのはもったいないと思います。SEOに限らず、今後はより幅広いマーケティング戦略をご支援したいと考えています。

シムトップスさまの今後の事業展開についても教えてください。

奥畑 今、もっとも力を入れているのはAIの分野です。製造業や建設業などの現場では、品質チェックや設備点検などを長年の経験でパッと判断できるようなベテランの職人が不足しています。AIはそうした職人の経験を学習させることができるので、弊社が提供するサービスと相性が良いと考えています。今後は新規サービスをリリースする予定もあるので、ぜひサポートをお願いします。

尾崎 新しいサービスのコンサルティングも難度が高そうですね。でも、どんな内容も引き続き支援します!

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企業DATA

株式会社シムトップス

ABOUT

「他にはないOnlyOneのユニークで変態的に強力な製品・サービスを創る」をビジョンに掲げ、現場のニーズを満たし、課題を解決するシステムを開発。現場帳票システム「i-Reporter」や、個別受注・多品種少量生産に特化したスケジューラ+工程管理システム「DIRECTOR6」などを販売している。

記事執筆者

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株式会社ケーズオフィス

ABOUT

Webライティング専門カンパニー。社員ライターによる自社一貫の記事作成が特徴。コラム記事から取材記事まで、幅広いコンテンツ制作に対応。