ボリビアからも受注!農業関連製品を販売するセイコーエコロジアが売り上げを伸ばした、知識ゼロからのWebマーケティング
クライアント
株式会社セイコーステラ 様

支援内容

農業関連製品を扱うWebサイト「セイコーエコロジア」のマーケティング支援

部門

エコロジア事業部

担当者

武藤俊平様
満岡雄様
小島英幹様

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セイコーエコロジア(株式会社セイコーステラ運営)は、農業関連製品の販売を通じて日本の農家の「百年農業」の実現をお手伝いするエコロジア事業です。農家それぞれの課題を解決するために、ひと工夫加えて開発されたニッチな製品を数多く取り扱っているところに特徴があります。

以前は展示会でつながった農家に直接営業するだけでしたが、株式会社CINCのサポートでWebサイトを大きく改修し、SEOコンテンツを内製化するなどWebマーケティングを行ったところ、売り上げが大きく伸びました。

今回は株式会社セイコーステラ代表取締役の武藤俊平さんをはじめ、エコロジア事業部の満岡雄さんと小島英幹さんに話をお聞きしました。インタビュアーはCINCコンサルティング部 部長の市橋雄大が務めます。

(取材:株式会社CINC、文:株式会社ケーズオフィス、撮影:矢島 宏樹)

目次

知識ゼロから始まったWebマーケティングの取り組み

CINC 市橋雄大(以下、市橋) セイコーステラさまの事業内容について教えてください。

セイコーステラ 満岡雄さん(以下、満岡) セイコーステラでは、中小ビルの管理・改修サービスの「百年建築」と、農業関連製品販売の「セイコーエコロジア」の二つの事業を手掛けています。現状、会社の売り上げの大半を占めているのは百年建築の事業です。私たちが所属するセイコーエコロジアの事業では、主に展示会や商品サイトなどで農業資材を販売しています。2009年に新規事業としてスタートして以来、売り上げが伸び悩んだ時期もありますが、おかげさまで現在は順調に数字が伸びています。

セイコーステラ エコロジア事業部 技術営業 満岡雄さん

セイコーステラ 小島英幹さん(以下、小島) セイコーエコロジアのビジネスは、あえてニッチな農業資材を取り扱っている点に独自性があります。弊社のサイトは、まだ世の中に広く知られていない製品や、同業他社のサイトに掲載されていない製品をクローズアップして、コラム形式でわかりやすく紹介しているのが強みです。

市橋 セイコーエコロジアの製品ラインナップの中でも、プライベートブランド「キンコンバッキー」は、特にユニークな名前ですね。

セイコーステラ 武藤俊平さん(以下、武藤) キンコンバッキーは、有用土壌微生物の「アーバスキュラー菌根菌」により植物の生育を促進する製品です。私が好きなアイスクリーム「チョコバッキー」の商品名から着想を得て、植物がバキバキに強くなるようなイメージを重ね、キャッチーなネーミングに仕上げました。せっかくSEOを意識したコラムで集客できても、価格の安いサイトやポイントが高くつくショッピングモールに負けてしまうことがありますので、今後もキンコンバッキーに続くプライベートブランドや、総代理店のある商材を増やしていけると、セイコーエコロジアの強みをさらに伸ばせると考えています。

セイコーステラ代表取締役 武藤俊平さん

小島 弊社では一人ひとりのお客さまの課題に合わせた製品のご提案にも力を入れています。例えば、セイコーエコロジアのサイトを見た農家さんから「畑に水やりをしても水が漏れてしまうのですが、どうしたらいいですか」といったご相談のお電話をいただくことがあります。そんなとき、製品の詳しい知識を持つスタッフが課題の解決につながる農業資材をご案内できるのも、セイコーエコロジアの強みです。

市橋 同業他社のサイトでは、製品情報が掲載されたWebカタログの公開のみにとどまっているパターンが多い傾向にあります。それに対してセイコーエコロジアのサイトは、農家さんの課題へアプローチする構成が大きな違いです。例えば、先ほどの「キンコンバッキー」の製品情報ページでは、収穫量の伸び悩みという課題と、製品導入で期待できる効果が具体的に紹介されています。

画像出典:セイコーエコロジア「キンコンバッキー」

武藤 サイトのコラムは製品の特性を熟知したスタッフが執筆を担当し、1点1点の情報をわかりやすく丁寧に説明しています。農家さんの立場になって考え、製品の特長や使い方が伝わりやすいページ作りを心掛けています。

小島 ユーザー視点に立ったコンテンツ制作については、CINCさんのコンサルティングのおかげでもあります。

セイコーエコロジア エコロジア事業部 技術営業 小島英幹さん

市橋 CINCのコンサルティングを受けられる以前、セイコーエコロジアの事業にはどのような課題がありましたか。

武藤 サイトでの販売は、2017年頃からスタートしています。展示会のみでの営業活動に限界を感じたのが運営開始の理由です。

満岡 それまで、農家さんと接触するタイミングは展示会に限られていました。展示会に出展して、農業資材を展示して、ブースへ来た農家さんにアプローチしていたのです。ところが、展示会で農家さんが製品に興味を持ってくださっても、県をまたぐような遠方の農地への出張が重なると、コスト面などで営業活動に大きな負担が生じてしまいます。そこでインターネットを活用し、サイトに製品情報を掲載して全国各地から問い合わせを受け付けようと考えました。

武藤 当時も会社のWebサイトは存在していたものの、ほとんど誰にも見られていない状態でした。インターネット経由での問い合わせはゼロ件でした。

満岡 電話も一切鳴りませんでした(笑)

市橋 CINCからは、集客ができていない現状のWebサイトを大きく作り変えて、新規サイトの立ち上げと運営をしていく方向性で提案をしました。新規サイトの役割は、コラムを通じた製品紹介によって集客の流れを作ることです。その際、セイコーステラさまにWebマーケティングの基礎を理解していただく必要があったので、まずはキーワードリストの作り方やコラムの執筆方法といった専門知識をお伝えする勉強会を開催しました。

武藤 CINCさんには新規サイトのドメイン選定やターゲット設定から支援していただきました。最初の打ち合わせではWebマーケティングの専門用語がまったく理解できず、放心状態になってしまったのを覚えています。「Googleアナリティクス」「ユーザー数」「コンバージョン」など、私たちの知らない言葉ばかり…。

満岡 そうでしたね(笑)。何を言っているのか、全然わからなかった…。

CINC マーケティングDX事業本部 コンサルティング部 部長 市橋雄大

コラム執筆の内製化で身についたSEOの知識と製品の専門性

市橋 現在は多数のコラムを安定的に執筆されている皆さんも、当初はそんな苦労をされたのですね。そこから、コラム執筆に対応する社内体制をどのように整備していったのでしょうか。

武藤 コラム執筆は、CINCさんから共有される構成案を利用していました。構成案には「第1章ではこんな内容を書きましょう」「ここにキーワードを盛り込みましょう」といった形で、コラムの大まかな流れが指示されています。これなら社内でも対応できそうだと感じ、まずは満岡さんに1本書いてもらいました。ところが完成したコラムを読んでみると、単に構成案に書かれている箇条書きの情報をつなげて並べただけのテキストボリュームが少ない記事で…。「これで大丈夫かな?」と心配になりました(笑)

満岡 ありましたね。コラムの執筆に慣れない頃は、とにかく書くのが大変でした。たった1本を書き上げるだけで、ものすごい時間がかかってしまって、「執筆経験がないのにコラムを書くなんて無理だ」と思ったこともありました。

小島 私がコラム執筆業務を引き継いだときには、すでに土台ができていたので、それほど苦労しませんでした。「タイトルや文章にこのキーワードを含めればいいんだな」と、書き方のポイントがわかっていたためです。ただ、最初の頃、満岡さんから「文字数が多いほど検索順位が高まるから、最低でも5,000文字は書いてください」と指示を受け、頑張って書いたら、満岡さんはその半分くらいしか書いてなかったということもありました(笑)

満岡 あれはちょっと申し訳なかった(笑)

小島 おかげさまで私が執筆したコラムも高い順位がつき、結果を出せました。結局、ユーザーが知りたいであろう情報を過不足なく満たしていくと、文字数がある程度長くなるのは仕方がないという意味であり、最初に文字数ありきではないと今では理解できています。

市橋 初めは苦労された部分もあったかと存じますが、こうして皆さんがご自身の手でコラムを執筆していただいたことも、成果につながった要因だと考えています。案件によっては、CINCがコラムの執筆まで請け負うケースもあります。ただし、セイコーエコロジアのサイトに関しては、社員の方が持つ専門知識をSEOに生かしたり、社員の方がコラムを執筆しながら専門知識とSEOの両方を身につけられたりして、良い形で運用できています。

武藤 コラムの執筆を通じてより製品への理解が深まるというメリットは、本当に実感するところです。「そうか、農家さんにはこういう課題があるから、この製品が適しているんだ」と執筆を通じて再確認できます。これからも社内で地道に書き続けたいですね。

満岡 コラム執筆で身についた専門知識は、営業活動でも役立ちます。執筆のために専門書を読むと、これまで知らなかった知識が入ってきます。営業職として農家さんと会話をするとき、執筆で身につけた知識が自然と口から出るのに気づきました。

市橋 コラム投稿で得られた定量的な成果について教えてください。

小島 年間50~80本のコラムを投稿し、蓄積されたコンテンツは約260本に達しました(2024年1月末現在)。本数が増えるにつれてサイトのユーザー数は増加しています。さらに2022年春以降は、CINCさんのアドバイスを受けてサイト内のコラム同士を内部リンクさせる施策にも取り組んでいます。これにともない、ユーザー数が初めて月間10万人を超えるなど、大きな成果につながりました。

武藤 投稿したコラムは、我々に代わって“プチ営業パーソン”のように製品情報を伝え、サイト上で営業活動をしてくれるようになります。執筆は大変ですが、その分だけ書いた甲斐があります。

小島 一般的に農業業界の市場動向は季節に左右されるので、冬場は集客が落ち込みやすく、反対に夏場は集客がアップしやすい傾向にあります。ところが、セイコーエコロジアのサイトは冬場でもユーザー数がしっかりと伸び続けているのです。コツコツとコラムを書いて、なおかつ順位を上げるための工夫をすると、これだけ大きな成果を得られる。Webマーケティングに取り組む重要性を実感しました。今はKeywordmapを利用しながら順調に内製化できています。

満岡 現在、サイト経由でのメールや電話でのお問い合わせは、1日あたり3~4件入っています。

小島 最近は営業活動のモチベーションを高めるために、すべての製品に売上目標を立てるようになりました。単価の小さい製品でも、年間で何百個を売ると目標を立てれば、さらにやる気が出てきます。

市橋 満岡さんのX(旧Twitter)のアカウントが順調にフォロワー数を伸ばして、7,000人を超えるところまで来ました。満岡さんは、運用でどのような工夫をしていますか。

満岡 SNSでは、営業活動の雰囲気を出さないよう意識しています。例えば「当社の空動扇を購入しませんか?」といった投稿はしません。投稿内容は、ほとんどが旬の野菜のご紹介をはじめとした業界のお役立ち情報です。フォロワーの興味関心に近い、タイムリーな情報を意識して投稿しています。最近では、弊社製品に興味をお持ちの方からダイレクトメッセージをいただくこともあります。直接的ではなくても間接的なコンバージョンにつながっているかもしれません。日に日にXを好きになっているので、続けていきたいし、Xだけに注力できるならそうしたいくらいです(笑)

市橋 では、今後はサイトに加えて、SNS経由で問い合わせが入るなど、売り上げに貢献できるようになると理想的ですね。

農家の課題解決に役立つサイト作りと、さらなる成果創出へ向けた支援

市橋 コラムで成果が出て以降は、ある程度PDCAを回せるようになってきた段階で、顧客管理のスプレッドシートを作成し、顧客へのアプローチ方法についてもアドバイスさせていただきました。

武藤 SEOに取り組んでからサイト経由で購買意欲の高い問い合わせが増え、顧客管理の必要性が出てきました。そもそも以前の営業活動では、購買意欲の高い農家さんと接する機会がほとんどなかったのです。当時、CINCさんに作成していただいたスプレッドシートは、今でも営業活動で活用しています。コラム執筆だけでなく、顧客管理まで支援していただけたので心強かったです。

満岡 Webマーケティングもゼロからのスタートでしたが、顧客管理も同様にゼロからのスタートです。顧客のデータをきちんとリスト化したのは初めてでした。

小島 あのスプレッドシートがあれば、農家さんからお問い合わせが入ったとき、すぐに履歴を確認できるので重宝しています。特にご年配の方からのお問い合わせでは、お使いの製品名などの前提を省略して本題に入られる方もいらっしゃいます。そんなとき、スプレッドシートでお名前を検索すれば、スムーズに対応できます。

市橋 たしか当初のスプレッドシートのタイトルは、「目指せ月間100万円売上プロジェクト」でしたね。その後は300万円、500万円、1,000万円と売り上げが上がっていきました。支援している側としても、めちゃくちゃ嬉しかったですね。

武藤 気づいたら売り上げ1,000万円を達成していました。

(CINC註:2023年度は2019年度から約300%の売り上げ)

満岡 一昨年(2022年)10月には、なんとボリビアから問い合わせが入り、かなり大型の受注が決まりました。担当者は日本の方だったのですが、海外との取引は初めてだったので輸出の手続きに少々手間がかかりました。それでも昨年(2023年)11月に無事ボリビアに製品が届き、納品が完了しました。

ほかにも海外から話が来ることが出てきましたので、受注数を増やして形にしていきたいという思いもあります。

武藤 それもWebマーケティングの取り組みあってこそですよね。今や誰もがインターネットを使う時代ですが、その仕組みを自分たちで勉強して一から理解するのは難しいと思います。CINCさんにはWebマーケティングの専門知識を持ったコンサルタントがいるだけでなく、基礎知識を一から教えていただき、相談にも乗っていただけたのでありがたいです。最初は正直、半信半疑というか、ネットにお金をかけるより普通に営業したほうがいいのでは、とも思っていたんですけど、視野が広がり、考え方が変わりました。

小島 CINCさんの担当者は、ざっくばらんで良い意味で遠慮のない接し方が好印象でした。弊社の状況を踏まえて具体的にアドバイスしてくださるので、いつも意見が参考になります。

市橋 これからのご支援についてですが、ここまでの施策で集客の基盤やコンバージョンにつなげる動きは作れているので、今後はさらなる強化に取り組みたいです。また、サイト経由での受注増加にともない、既存顧客のデータが蓄積されてきたので、顧客とのリレーションを築き上げてアプローチできる体制を整備していきます。

小島 過去に製品を購入した農家さんから、別の課題が見つかったときにもセイコーエコロジアのサイトを利用していただくケースが増えていると感じます。弊社のサイトで調べてより多くの課題を解決できる状態を目指したいです。そのためにも、製品ページの作り込みをしっかりと行い、別の製品の購入につなげる確度を高めていきます。

市橋 それを実現できれば、さらに売り上げを伸ばせる可能性がありますね。CVR改善やLINEの活用など、CINCから提案できる施策はまだたくさんあります。農家さんの困りごとをなんでも解決できるサイトを目指して、ぜひ引き続きご支援させてください。

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株式会社セイコーステラ

ABOUT

百年農業の実現へ向けて、安心と安全、快適性と効率性を長期的に維持する製品を提供。農業を取り巻く多様な課題にピンポイントで対応するために開発された、ニッチな農業資材を取り扱っている。主な製品は生育促進分野の「キンコンバッキー」、環境改善分野の「スミちゃん」など。

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株式会社ケーズオフィス

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Webライティング専門カンパニー。社員ライターによる自社一貫の記事作成が特徴。コラム記事から取材記事まで、幅広いコンテンツ制作に対応。