SEO・検索広告

公開日2026.05.21

デパート(百貨店)がSEOを成功させるには?業界の特徴や施策のポイントをコンサルタントに聞いてみた

佐藤 綾美

執筆者:

株式会社CINC AI戦略部 マーケティンググループ チーフ 兼 Marketing Native編集長

佐藤 綾美

記事一覧
デパート(百貨店)がSEOを成功させるには?業界の特徴や施策のポイントをコンサルタントに聞いてみた
デパート(百貨店)のSEOは、「取り扱う商品の広さ」と「季節イベント起点の需要構造」によって、一般的なECサイトとは戦略設計が異なります。

ファッションや食品、コスメ、ギフトなど幅広いカテゴリーの商品を1つのサイト内で販売していることに加えて、クリスマスやバレンタイン、お中元、お歳暮といったイベントごとに需要が大きく変動するためです。

このような構造のサイトでは、単一カテゴリの最適化や短期的な施策だけでは成果につながりにくく、年間を通じた設計と領域別の戦略が求められます。

この記事では、実際にデパート領域の支援に携わったコンサルタントへのヒアリングを基に、デパート(百貨店)におけるSEOの重要性、業界特有の特徴、取り組むべき施策、成功のポイントなどを解説します。

この記事でわかること

  • デパートでは、購買行動のオンライン化に対応する観点でSEOが重要
  • デパートのSEOは、競合と季節需要、取り扱う商品の幅広さを前提に設計する必要がある
  • デパートのSEOは、テクニカルSEOの整備に加え、季節イベントごとのLP・ハブページ設計が重要になる
  • 領域によっては、おすすめ商品の比較記事やマナー系コンテンツの活用余地もある
  • 成果を出すには、スケジュール設計や関係者調整を含めた推進体制が欠かせない

デパート(百貨店)がSEOに取り組む重要性

デパートにとってSEOは、オンラインで商品を探すユーザーとの接点を作り、機会損失を防ぐための重要な施策の1つです。広告だけに依存しない集客基盤を作るという点でも意味があります。

検索行動の変化に対応しないと、機会損失が起こりやすい

――デパートがSEOに取り組む重要性は、どこにあるのでしょうか。

デパート業界でSEOが重要なのは、ユーザーの購買行動が変化し、オンライン起点で商品を探すことが増えているためです。

ユーザー行動のイメージ。商品やブランドについて知ったユーザーは、インターネット検索→ECサイトの閲覧→オンライン購入と進む場合があれば、デパートに来店し、そのまま店舗で購入するケースもある。さらにECサイトを見た後来店するケース、店舗で見てから購入はECサイトで済ませるケースなど、行動が複雑化している様子をまとめている。
ユーザー行動のイメージ(例)

以前よりも、ファッションをはじめとした商品をオンラインで比較・検討し、そのまま購入する行動が一般化しています。

ユーザーにとっては、店舗やオンラインなど「どこで買うか」よりも、便利で納得できる購入体験を得られるかが重要です。デパートにおいても、オンライン上の売り場を適切に整えることが、機会損失の防止につながります。

広告だけに依存しない集客基盤を作る意味も大きい

――顧客との接点を作り、機会損失を防ぐ以外で、SEOが重要な理由はありますか。

SEOには、広告だけに依存せず、継続的な集客基盤を作れるという価値もあります。

デパート業界でもインターネット広告への出稿は行われていますが、競争が激しい領域では顧客獲得単価が上がりやすいのがネックです。実際に顧客獲得単価の増加を背景に、SEOに注力しているケースもあります。

一方のSEOは、広告のように出稿を止めると流入も止まる施策とは異なり、施策を積み重ねることで検索経由の流入を継続的に獲得できる点が特徴です。取り扱う商品が多く、需要の変動も大きいデパートにとっては、重要な集客基盤になり得ます。

デパート(百貨店)ならではのSEOの特徴

デパート業界のSEOは、競合が多岐にわたり、季節需要の影響が大きいうえ、商材領域ごとに戦い方が変わることが特徴です。一般的なECサイト以上に、通年での戦略設計と運用が求められます。

競合は百貨店同士だけでなく、ECモールや専門サイトまで広がる

――デパート業界ならではのSEOの特徴はありますか。

競合がデパートだけでなく、ECモールや専門サイトになることがあります。ファッション・食品・ギフト・コスメ・インテリアなど幅広い商品を扱っており、1つのECサイトの中で複数のカテゴリーを扱う構造になっているからです。そのため、領域ごとに競合の顔ぶれや戦い方が異なります。

例えば、ファッション系のキーワードでは大手ファッションEC、ギフト系のキーワードでは、ギフト特化型のサービスが上位に並ぶことがあります。

このように、デパート全体を一括りにして競合を捉えると、実際の検索結果との乖離が生じやすくなります。そのため、カテゴリ単位・テーマ単位で競合と検索意図を捉え、それぞれに最適化した設計が必要です。

加えて、こうした複雑な競合環境の中で成果を出すためには、ページ単体の改善だけではなく、テクニカルSEOやサイト構造、内部リンク設計まで含めて、サイト全体の最適化を行う必要があります。

売り上げが大きく動くイベントが年に複数あり、準備が必要

――競合となり得る企業の多さ以外に、デパート業界でとくに重要な視点はありますか。

デパートは、クリスマスや福袋、バレンタイン、お中元、お歳暮、クリアランス(セール)など、売り上げが大きく動くイベントが明確です。こうした需要を取りこぼさないためには、需要期の直前に動くのでは遅く、前もって準備する必要があります。

そのためデパートのSEOは、単発でページを作って終わる施策ではなく、年間のイベントカレンダーをもとに、通年で計画を回し続ける運用が前提になります。

デパートの年間イベントのイメージ。1月の福袋、2月のバレンタイン、6月~7月のクリアランスセール、7月のお中元、12月のお歳暮やクリスマスが需要の大きなイベントごととしてグラフ形式で書かれている。
1年のうち、検索されやすい大きなイベントごとのイメージ(グラフは各キーワードの検索ボリュームを参考に作成)。

SEOは成果が出るまでに一定の時間がかかるため、年間のマーケティングカレンダーと連動させながら、前倒しでコンテンツを作成・公開していく設計が重要です。

デパート(百貨店)が取り組むべき施策

デパートが取り組むべきSEO施策は、大きく「テクニカルSEOの整備」と「季節イベントごとのLP・ハブページ設計」「領域に応じたコンテンツ整備」に分けられます。とくにデパートはサイト構造が複雑になりやすいため、土台づくりとイベント設計の両立が重要です。

まずはテクニカルSEOとサイト構造の整備が欠かせない

――デパートがまず取り組むべきSEO施策は何でしょうか。

デパートが最初に取り組むべきなのは、基本的なテクニカルSEOとサイト構造の整備です。

タイトルや見出し、内部リンク、カテゴリ設計といった基本が整っていないと、サイト全体の評価が伸びにくくなります。デパートのサイトはページ数も多く、構造も複雑になりやすいため、土台の精度が成果に直結します。

デパートのサイト構造のイメージ。大カテゴリはギフトやコスメ、フード・スイーツ、レディース、メンズなど。その配下となる中カテゴリには例えば洋菓子、和菓子、生鮮食品、惣菜・お弁当などが並び、その下には記事/ページが来る。
サイト構造のイメージ

どのカテゴリでどのテーマ(キーワード)を担うのか、どのページ同士をつなぐのかなどを整理し、検索エンジンにもユーザーにもわかりやすい論理構造にすることが重要です。

季節イベントごとのLP・ハブページを用意する

――デパートでは季節需要の波があるとのことでしたが、そうした需要にはどのようなコンテンツで対策するのでしょうか。

季節イベントごとのLPやハブページの設計が鍵となります。

デパートは取り扱う商品が多いため、イベントに関連する商品や情報を横断して案内できるページがあると強みになります。例えば、クリスマスであれば、ギフトやケーキ、店舗情報、予約導線などをまとめて見せるページが有効です。

領域によっては、おすすめ記事やマナー系コンテンツも有効

――記事コンテンツの活用余地はありますか。

商品の領域によっては記事コンテンツも有効です。

ECや特集ページの比重が大きい一方で、コスメやギフトなど、記事コンテンツとの相性が良い商品もあります。例えば、コスメ領域ではおすすめ系の比較検討コンテンツ、ギフト領域では贈り物のマナーや選び方のようなノウハウ系コンテンツが考えられます。

デパートの記事コンテンツのイメージ。コスメなら例えば、「ファンデーションのおすすめ10選」のようなおすすめの商品を紹介する記事、ギフトなら「お中元のマナーの基礎知識」のようなマナー解説記事などが考えられる。
記事コンテンツのイメージ

商品一覧だけでなく、贈る場面や選び方に関する提案も届けることで、比較検討の前段階の検索ニーズにも対応しやすくなります。

デパート(百貨店)がSEOを成功させるためのポイント

デパートのSEOで成果を出すには、実行体制やスケジュール設計まで含めて整えることが重要です。関係者が多く、制約も複雑な業界だからこそ、施策推進の設計も成果に影響します。

サイト構造や運用ルール、関係者を最初に把握する

――デパートのSEOで成果を出すうえで、重要なポイントは何ですか。

これはコンサルティングの際に重要だと感じたポイントですが、最初にサイト構造や運用ルール、関係者の整理を行うことです。

デパートのサイトは、複数の外部業者や運用ルールが関わっていることがあり、どのページが更新できるのか、どの領域に調整が必要なのかを把握しないと施策が進みません。

利用しているツールやCMS、改修権限、ページごとの制約を早い段階で整理することで、実行可能な施策の優先順位をつけやすくなります。

季節需要に合わせたスケジュール設計が成果を左右する

――季節イベントごとのLPやハブページについて、制作を進めるうえでのポイントはありますか。

季節需要に合わせたスケジュール設計が成果を左右します。

イベントが終わってから改善しても遅いため、需要期から逆算して、ワイヤー作成、ページ制作、公開、改善までの流れを前倒しで進めます。イベント需要を外すと次の機会は1年後なので、半年近く前から準備を進めるケースもあります。

デパートのSEOは、単発施策ではなく、通年で計画を回し続ける運用が前提になります。

関係者が多いからこそ、調整と推進を担う役割が重要になる

――施策の実行面での難しさはありますか。

デパートのSEOにおける実行面の難しさは、関係者が多い点にあります。

例えば、商品を紹介する記事コンテンツを制作する場合は、自社や部署内で完結しないことも多く、ブランド担当者との調整や、表現のルールの確認などが発生します。また、特集ページで他部署の商品を取り扱う際は、該当の部署への交渉が必要です。

SEOの専門知識に加え、プロジェクト全体を整理し、社外・社内で必要な調整を行いつつ施策を前に進める力が求められます。

デパート(百貨店)のSEO施策はCINCにご相談ください

デパート業界のSEOは、一般的なECサイトと同じ施策だけでは成果につながりにくい領域です。取り扱う商品が幅広いゆえに競合も多く、さらに季節需要を前提に施策を組み立てる必要があります。

そのため、テクニカルSEOやサイト構造を整えるだけでなく、イベント需要を捉えるLP・ハブページを前倒しで設計し、必要に応じて記事コンテンツで比較検討層や周辺ニーズまで拾うことが重要です。また、関係者が多い環境でも実行まで進められる推進体制が欠かせません。

CINCでは、こうしたデパート業界特有の難しさを踏まえ、調査だけで終わらない支援を重視しています。データベース型サイトの構造設計、カテゴリや特集ページの論理設計、成果を見据えた改善提案、実行フェーズまでを担う伴走支援を通じて、デパート業界におけるSEOの成果創出を支援します。

 

>>SEOコンサルティングサービスの詳細を見る
>>AI検索最適化(GEO/LLMO)コンサルティングサービスの詳細を見る
>>無料で相談する

この記事の執筆者

佐藤 綾美

株式会社CINC AI戦略部 マーケティンググループ チーフ 兼 Marketing Native編集長

佐藤 綾美

大学卒業後、出版社にて教養カルチャー誌などの雑誌編集者を経験し、2016年よりCINC(旧Core)にジョイン。2018年よりMarketing Native編集長を務め、メディアの運営、記事の取材・執筆・編集、イベントの企画・運営などを担う。現在はCINCのマーケティングも担当。

記事一覧

資料ダウンロード

サービス説明資料や調査レポート、
ノウハウ資料を無料でダウンロードいただけます。

資料をダウンロードする

ご相談・お問い合わせ

デジタルマーケティングに関するご質問やご相談など、
お気軽にお問い合わせください。

まずは相談する