この記事でわかること
- llms.txtは、AI(LLM)がWebサイトの情報構造を把握しやすくするファイルのこと
- llms.txtを設置してもAI検索で参照・引用されやすくなるという実質的な効果は確認されておらず、施策としての優先度は高くない
- Googleはllms.txtを公式にサポートしておらず、検索・AI体験の評価対象にはなっていない
- 実データ分析においても、llms.txtの有無とAI引用頻度に相関は見られず、「AIに読み込まれやすくする」という点でも限定的な意味しか持たない
- AI検索最適化の施策としてはllms.txtに注力するよりも、企業やプロダクトに関するファクトの固定、情報構造の明確化、一次情報や事例、第三者文脈の整備などに取り組むことが重要となる
株式会社CINCでは、AI検索最適化(LLMO/GEO)について「自社の場合はどう判断すべきかわからない」という方に向けて、現状分析から戦略の立案、優先施策の整理、実行、改善までを支援しています。
llms.txtを含め、やるべきこととやらなくてよいことを整理したい場合は、以下のサービスページも参考になさってください。
llms.txtとは?
llms.txtとは、LLM(大規模言語モデル)やAIエージェント向けに、サイトの重要情報をわかりやすく案内するためのテキストファイルです。
AIが推論や要約、回答の生成を行う際に参照しやすいよう、サイトの概要や前提条件、重要なページへの導線を整理して提示することを目的としています。
近年、LLMO(Large Language Model Optimization)やGEO(Generative Engine Optimization)、AI検索最適化といった考え方が広まり、「検索結果に表示される」だけでなく、AIに情報源として参照・引用されることや自社ブランドが言及されることが重視されるようになりました。
そうした流れの中で、AIに対してサイト構造や重要な情報をわかりやすく伝える手段として、llms.txtが注目されるようになっています。
しかし、llms.txtは、robots.txtやsitemap.xmlのように検索エンジンを制御するファイルではなく、あくまでもAIが推論や要約、回答生成を行う際の案内役として機能する補助的なドキュメントという位置づけです。
llms.txtについて
llms.txtは、2024年9月にJeremy Howard 氏によって提唱されました。背景には、LLMがWeb情報への依存を強める一方で、複雑なHTML構造やコンテキスト制限により、Webサイト全体を効率よく理解するのが難しいという課題があります。
そこで、人間向けに設計されたWebページとは別に、LLMが参照しやすい形で情報をまとめた入り口として、サイト直下(例:https://example.com/llms.txt)に配置するという考え方が示されました。llms.txtには、サイトの簡単な背景情報やガイダンス、詳細なMarkdownドキュメントへのリンクなどを記載することが想定されています。

画像左:「The /llms.txt file」に掲載されているサンプル、画像右:CINCのマーケティングコンサルティングサービスサイトで作成した場合のイメージ
llms.txtの設置はAI検索最適化において意味がある?
llms.txtは、AI(LLM)に向けてサイト情報を伝えることを目的とした専用ファイルとして提案されています。
そのため、「llms.txtを設置すればAIに内容を正しく理解してもらいやすくなり、結果としてAI検索やLLMO施策の一つになるのではないか?」と考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、現時点ではGoogleの公式見解や調査データを踏まえると、llms.txtの設置がAI検索最適化やLLMOにおいて明確な効果を持つとは言えない状況にあります。
Googleの公式見解:llms.txtは不要
まず押さえておくべきなのは、Googleのスタンスです。Googleは現在、llms.txtをクロールやランキング、AI生成結果の参照において公式にサポートしていません。
この点については、Google SearchチームのGary Illyes氏が、Search Central Live(SCL DD 2025)において発言しています。
Google’s Gary Illyes recently said that when it comes to ranking in AI Overviews, all you need to do is normal SEO. He also said that Google won’t be crawling and using the new LLMS.txt files that have become a popular topic in the SEO space.
※訳:GoogleのGary Illyes氏は最近、AI Overviewsのランキングについては通常のSEOで十分だと述べました。また、SEO領域で話題になっているLLMS.txtファイルをGoogleはクロールして使用することはないとも話しています。
出典:Search Engine Land「Google says normal SEO works for ranking in AI Overviews and LLMS.txt won’t be used」
また、GoogleのJohn Mueller氏もredditの「LLM.txt – where are we at?」のスレッドにて、「キーワードメタタグに相当するもの」と発言しています。
※キーワードメタタグは、現在では検索順位にほとんど影響を与えず、SEOとしては不要とされています(2026年2月時点)。
これらの発言から、少なくとも現時点ではGoogle検索およびGoogleのAI検索体験においては、llms.txtを設置しても評価・参照の面で優遇されることはないでしょう。
さらに、Google Search Centralの公式ドキュメント「AI 機能とウェブサイト」の中でも、AIによる概要(AI Overviews)に対するSEOのベスト プラクティスとして、次のように記載されています。
AI による概要と AI モードのための特別な最適化を行う必要はありませんが、次のようなこれまでの SEO の基本は引き続き重要となります。
出典:Google Search Central「AI機能とウェブサイト」
AI向けに特別なファイルや設定を追加する必要はなく、従来のSEOの基本を守ることが重要であるという考え方を示しています。
この方針と照らし合わせても、llms.txtのような追加対応は、Google公式の観点からは不要であり、AI検索最適化施策としても優先度は低いと言えます。
総合すると、Googleの公式見解・発言・ドキュメントのいずれを見ても、llms.txtは現時点でGoogle検索やAI検索最適化において意味のある施策とは位置づけられていない、という結論になります。
実データによる検証:llms.txtとAI引用の相関は見られない
理論やGoogleの公式発言だけでなく、実際のデータ分析でも同様の結果が示されています。SEOツールベンダーであるSE Rankingが公開した分析では、約30万ドメインを対象にllms.txtの有無とAIによる引用頻度の関係が検証されました。
調査結果の概要としては、以下の通りです。
- llms.txtの設置有無とAI引用頻度の間に相関関係は見られない
- 統計分析・機械学習の両面から見ても、llms.txtは引用頻度に影響していない
- AIに引用されているサイトの多くは、llms.txtがなくても参照されている
つまり、現時点ではllms.txtを設置したからといってAIに引用されやすくなるわけではないということです。
「AIに読み込まれやすくする」という観点でも影響は限定的
llms.txtを推奨する意見として、「AIが情報を理解しやすくなるのではないか」「構造化された入り口として意味があるのではないか」という声もあります。
しかし、現状のLLMは自然言語をそのまま理解する能力を前提に設計されており、以下のような人間向けに設計された通常のWebコンテンツから、十分に情報を抽出できる仕組みになっています。
- HTMLの本文テキスト
- 見出し構造(h1〜h4など)
- 内部リンクやページ間の関係性
- コンテンツ全体の文脈や検索意図
そのため、llms.txtというAI専用ファイルを追加しなくても、構造と文脈が整理されたコンテンツであれば、AIは問題なく内容を理解し、参照しているのが実態です。
少なくとも現時点では、llms.txtを設置することで「読み込みやすさ」が劇的に向上する状況にはなっていないと言えます。
LLMOやGEOの取り組みは、企業のフェーズや立ち位置によって最適解が異なります。CINCでは、個別の状況を踏まえた施策整理や優先順位設計を行っています。まずは現状整理からご相談ください。
>>CINCのAI検索最適化(GEO/LLMO)コンサルティングサービスについて詳しく見る
llms.txtの作り方
llms.txtは、現時点ではAI検索最適化やLLMOにおいて大きな効果が確認されている施策ではありません。そのため、必須対応として優先的に取り組む必要はない、というのが基本的な見解です。
一方で、将来的な仕様変更への備えや、AIエージェント・開発者向けにサイト情報を整理しておく目的であれば、低コストで試せる施策として検討する余地はあります。
例えば、以下のような目的であれば、過度な期待を持たず試験的に設置しても良いでしょう。
- AIエージェントがサイト構造を把握しやすくなる可能性がある
- 開発者向け・技術ドキュメントの導線を整理する
- LLMO文脈の取り組みを実験的に検証する
自動生成ツールを使う方法
llms.txtは手作業でMarkdownを書く必要はなく、自動生成ツールを使えば数分で作成可能です。「LLMs.txt generator」は、対象となるサイトのURLを入力するだけで、サイト概要や主要ページへのリンクを整理したllms.txtを自動生成してくれるツールです。
内容は雛型レベルですが、「まず置いてみる」「実験的に試す」目的であれば十分なものが生成されます。

画像出典:LLMs.txt generator
WordPressプラグインを使う方法
WordPressで構築されているサイトであれば、専用プラグインを使ってllms.txtを生成・管理することも可能です。「Website LLMs.txt」は、WordPress管理画面から設定するだけで、サイト直下にllms.txtを出力できるプラグインです。
テーマやコードを直接編集する必要がないため、技術的な負担をかけずにllms.txtを設置したい場合には手軽な選択肢と言えます。

画像出典:Website LLMs.txt
LLMOやGEOのために取り組むべき施策
AI検索最適化においては、llms.txtのようなファイルの設置よりも、AIに引用・参照または言及される確率を高めるために、「正しい定義が伝わること」「引用されやすい形で書かれていること」「第三者の信頼文脈に載っていること」を優先するのが現実的です。
ここでは施策の一例を10個紹介します。
1.ブランド定義の確立
会社・サービスTOPや概要ページで、「何を提供する、どのカテゴリのサービスか」を短く明確に定義します。AIはこの定義文をテンプレとして再利用しやすいため、ここが曖昧だと誤った分類や説明が発生しやすくなります。公式の一文を固定するイメージです。
2.ブランド表記の統一
ブランド名・サービス名の略称、表記揺れ、誤記を減らし、正式名称をサイト内外で一貫させます。AI回答で正規表記が安定して出る状態を作ることで、誤表記の拡散や別ブランド扱いを防げます。
3.サービスカテゴリ名の併記
「SEOツール」のような大雑把なカテゴリではなく、意図したカテゴリ名(例:検索データ分析プラットフォームなど)を明示します。AIが「どのカテゴリの代表例として想起するか」を揃える目的で、トップ・概要・比較されやすいページで繰り返し併記するのが有効です。
4.AIに内容を正確に取得・理解させるテクニカル施策
AIに引用・参照されるためには、その前提としてAIのbotがページ内容を安定して取得し、正しく読み取れる状態を整えておく必要があります。表示速度(CWV:Core Web Vitals)の改善、JavaScript依存の抑制、必要に応じたサーバーサイドレンダリング(SSR)・スタティックサイトジェネレーション(SSG)の導入などを通じて、AI botがレンダリングや解析でつまずかず、コンテンツ構造や本文をスムーズに理解できる環境を構築します。
5.セマンティックWeb対応
構造化データ、セマンティックHTML、画像のaltなどで「それが何で、どんな属性を持つのか」を明示します。AIが本文の解釈を誤りにくくなり、企業情報・商品情報・提供範囲などの属性一致度を高める効果が期待できます。
6.要約ファースト+情報構造の明確化
先に結論、次に理由、最後に補足という構造にし、見出しで情報を小さく分解します。AIは使える塊を抜き出して引用するため、要点が整理されたチャンク(段落)を増やすことで、引用されやすさと回答の正確性の向上が期待できます。
7.FAQの整備
指名・比較・導入前の疑問をFAQとして整理し、質問と回答を1セットで明確に書きます。AIは、ユーザーがAIに入力する質問に対する答えとして情報を理解・生成するほか、特定テーマを調査・比較する過程でも「問いに対する答え」の形で事実や根拠を収集します。そのため、FAQのように質問と回答の対応関係が明示された情報は、回答生成時にそのまま引用・参照されやすく、誤解の少ない形で採用されやすくなります。
8.独自データ・一次情報の供給
調査、分析、運用データ、実測値など一般論から抜けた「そのサイトにしかない根拠」を増やします。一般論だけのページはAIが他サイトでも代替できる一方、一次情報は引用理由になりやすく、AI回答の根拠として採用される可能性が高まります。
9.事例・成功例の拡充
導入事例を業界・規模・職種などの切り口で揃えて公開します。比較・選定や導入判断が発生する領域において有効であり、ユーザーやAIが「どのような条件で使われ、どのような結果が得られたのか」を具体的に理解するための補助情報として機能します。定量的な成果、前提条件、導入プロセスなどを整理して記載することで、一般論だけでは判断しづらいケースにおいて、意思決定の材料として参照されやすくなります。
10.第三者・プラットフォーム上の信頼文脈を獲得する
自社発信だけでなく、第三者の文脈の中で正しい定義や評価が自然に語られる状態を増やしていきます。プレスリリースを含む広報活動や、世の中・消費者にとって役立つ情報、自社の強みや特徴を伝える情報を発信し続け、デジタル上のプレゼンスを高めていくことが重要です。こうした取り組みによって、外部の情報源や文脈の中で自社に関する言及が蓄積されると、AIが情報を整理・参照する際にも、偏りの少ない根拠として扱われやすくなります。
今回ご紹介した施策は、LLMOやGEOに関する取り組みの一部にすぎません。実際には、企業のフェーズやポジション、抱えている課題によって、取るべき施策や優先順位は大きく異なります。
- すでに指名検索や認知がある企業と、これから認知を広げていく企業
- 比較・検討フェーズで選ばれたい企業と、想起される存在になりたい企業
- 情報発信が強い企業と、外部評価や事例が不足している企業
例えば、上記のような企業では、それぞれ取るべき施策も優先順位も変わってきます。
そのため、LLMOやGEOは決まったテンプレートを当てはめる施策ではなく、フェーズや課題に応じて設計する必要がある領域だと言えます。
CINCでは、これまでのSEOコンサルティングやデータ分析の知見をもとに、AI検索時代におけるブランドの見られ方・引用され方を踏まえたAI検索最適化の支援を提供しています。
- 自社がAIにどう認識されているか
- 誤って伝わっている情報がないか
- 今のフェーズで優先すべき施策は何か
上記のような点を整理したうえで、実行可能な戦略・施策に落とし込み、実行や改善に至るまでサポートしています。
「まずは自社の状況を知りたい」「何から手を付けるべきか相談したい」という方は、以下のサービスページから概要をご確認ください。お役立ち資料のご案内や、無料相談も可能です。
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まとめ
llms.txtは、AI(LLM)がサイトの情報構造を把握しやすくする目的で提案されたファイルですが、現時点ではAI検索最適化施策として実質的な効果は確認されておらず、優先度は高くありません。
Googleもllms.txtを公式にサポートしておらず、AI Overviewsに関しても特別な最適化は不要としています。実データ分析でも、llms.txtの有無とAI引用頻度に相関は見られません。
AI検索最適化で重視すべきは、ブランド定義の固定、引用されやすい構造化、一次情報・事例・第三者文脈の整備などです。自社のフェーズや課題に合わせて優先順位を設計し、必要な打ち手から取り組むことが重要です。


